防災地図を開くと、避難場所や避難拠点など似た名前が並びます。地震が起きたら近所の学校へ行くのか、それとも広い公園まで移動するのか。いざというときに迷わないためにも、平時に違いを知っておきたいところです。
地域情報メディア『ネリマニア』のエリア担当ライター、えりです。わたしも防災情報を見るときは、場所を探す前に「何から逃げるための場所なのか」を見るようにしています。
今回は、練馬区で関係する避難場所や避難拠点の違いから、大規模な避難場所3か所、地震と水害での避難先の調べ方までまとめます。ペットと暮らしている家庭の避難についても確認します。
広域避難場所・避難場所・避難拠点はどう違う?
避難先を調べると、「広域避難場所」「避難場所」「避難所」「避難拠点」といった似た言葉が出てきます。それぞれ同じ意味ではありません。
東京都では、震災時に拡大する火災から住民を守るため、公園や緑地などの広い空間を「避難場所」として指定しています。大規模な火災から身を守る場所を「広域避難場所」と呼ぶ場合もありますが、名称や指定方法は自治体によって異なります。練馬区で確認するときは、東京都が指定する「避難場所」を見ると分かりやすいでしょう。
一方、避難所は、自宅で生活を続けられなくなった人などが一定期間過ごす施設です。練馬区では区立小・中学校を「避難拠点」とし、避難者の受け入れだけでなく、在宅避難者への支援など地域の防災活動の拠点としても位置づけています。
- 東京都の避難場所
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震災時に拡大する火災から身を守るための場所
- 避難所
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自宅で生活できない場合などに一定期間過ごす施設
- 練馬区の避難拠点
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区立小・中学校を利用し、避難者の受け入れや在宅避難者への支援などを行う地域の拠点
地震が起きたら全員が最寄りの学校や大きな公園へ行く、という仕組みではありません。自宅や周辺が安全なら在宅避難ができる場合もあり、大規模な延焼火災など危険の種類によって必要な避難先は変わります。
練馬区周辺にある大規模な避難場所3か所
東京都が指定する避難場所には、練馬区周辺の大きな公園やその周辺も含まれています。代表的な3か所について、区域面積や避難計画人口、災害時のトイレ設備、アクセスをまとめました。
| 避難場所 | 区域面積 | 避難計画人口 | マンホールトイレ | 主なアクセス |
|---|---|---|---|---|
| 光が丘団地・光が丘公園一帯 | 約171.5万㎡ | 約21万8,600人 | 52穴 | 光が丘公園は光が丘駅から徒歩約8分 |
| 城北中央公園一帯 | 約42.1万㎡ | 約14万6,600人 | 24穴 | 城北中央公園は上板橋駅から徒歩約15分 |
| 石神井公園一帯 | 約38.8万㎡ | 約5万3,900人 | 36穴 | 石神井公園は石神井公園駅から徒歩約7分 |
ここでいう「避難計画人口」は、その場所にこの人数を収容できるという定員ではありません。東京都が避難場所ごとに割り当てている地域の計画人口です。
区域面積も公園そのものの面積とは限りません。「光が丘団地・光が丘公園一帯」のように周辺を含めて指定されている場所があります。そのため、数字を比べて一番大きな場所を選ぶのではなく、自宅がどの避難場所と関係しているのかを東京都の指定情報で確認しておくと分かりやすいでしょう。
マンホールトイレってどんなもの?
表にある「マンホールトイレ」という言葉を初めて聞く方もいるかもしれません。災害で普段のトイレが使えなくなったとき、専用のマンホールの上に便座とテントを設置して使用する災害用のトイレです。
普段から公園に便器が並んでいるわけではありません。災害時に便座やテントを設置して使用します。光が丘公園は52穴、城北中央公園は24穴、石神井公園は36穴あり、3か所ともマンホールトイレ用の穴と同じ数のテントが配備されています。
ただし、マンホールトイレがあることを理由に避難先を選ぶわけではありません。災害時には携帯トイレや簡易トイレ、仮設トイレなども含めてトイレを確保することになります。
地震と水害では避難先をどう判断する?
練馬区では、風水害時と震災時では避難する場所が異なると案内しています。そのため、「近所の学校を知っているから、どんな災害でもそこへ行く」と決めるのではなく、災害の種類によって見る情報を切り替えます。
地震のとき
練馬区の防災地図で、自宅周辺の避難拠点や東京都が指定する避難場所との位置関係を確認します。地震が起きたからといって必ず避難するわけではなく、自宅や周辺の安全、火災などの危険を見ながら行動します。
大雨・台風のとき
水害ハザードマップで自宅周辺の浸水リスクを確認し、練馬区が案内する風水害時の避難所を確認します。風水害時の避難所は掲載されている施設が常にすべて開設されるわけではありません。実際に避難するときは、区が発表している開設状況まで確認します。
地震では防災地図、大雨や台風では水害ハザードマップと、その時点で開設されている避難所を確認する。見る情報を分けておくだけでも、いざ避難先を探すときに迷いにくくなります。
ペットと避難するときはどうする?
犬や猫などのペットと暮らしている家庭では、「避難するときに一緒に連れて行けるのか」も気になるところです。練馬区では、自宅が危険で避難が必要な場合、ペットと一緒に避難する「同行避難」を基本としています。
大地震の場合、練馬区の区立小・中学校に設置される避難拠点ではペットの同行避難を受け入れています。ただし、同行避難は、飼い主とペットが同じ部屋で生活できるという意味ではありません。一部の例外を除き、人とペットの滞在スペースは分けられます。
また、避難拠点にはペット用品の備蓄がないため、飼い主自身で準備して持って行く必要があります。練馬区では、ペット用のフードと水について5~7日分を備えておくよう案内しています。
- フードと水を5~7日分
- ケージやキャリーバッグ
- リード
- トイレ用品
- 薬などペットに必要なもの
大雨や台風などの風水害でもペットとの同行避難はできますが、練馬区ではペットを必ずケージに入れて避難するよう案内しています。人とペットは別の場所で滞在し、フードなどの準備や世話は飼い主が行います。
一方、自宅が安全で生活を続けられるのであれば、ペットと一緒に在宅避難する方法もあります。慣れない環境はペットの負担にもなるため、「避難所へ連れて行くこと」だけでなく、自宅で過ごす場合の備えも考えておきたいところです。
自宅周辺では何を確認しておけばいい?
ここまで見ると、避難場所を一つ覚えるだけでは足りないことが分かります。まず自宅を起点にして、地震と水害の両方を確認しておくと分かりやすくなります。
自宅の位置から、避難拠点や東京都の避難場所との位置関係を確認します。
自宅周辺の浸水リスクと、風水害時に利用する避難所を確認します。
普段使う道だけでなく、別の方向から避難できる経路があるかも見ておきます。
地震では建物や塀の被害、火災などで普段の道を通れなくなる場合があります。水害では浸水した道路を移動すること自体が危険になる場合もあります。避難先と、そこまでの経路はセットで見ておきたいところです。
避難場所や避難拠点の指定、防災設備、風水害時の避難所の開設状況などは変わる可能性があります。平時に場所を知っておき、実際の災害時には練馬区や東京都が発表する最新情報を確認してください。
防災のことを全部覚えようとすると大変です。まずは自宅を地図で見つけて、「地震ならどこを見るか」「大雨ならどこを見るか」を家族で共有するところから始めてもいいと思います。ペットがいる家庭なら、ケージやフードなども一緒に確認しておくと安心です。











