福祉避難所という名前を見ても、最初からそこへ行くのか、一般の避難所と何が違うのか分かりにくいですよね。家族の避難先を考えるなら、災害前に知っておきたい部分です。
地域情報メディア『ネリマニア』のエリア担当ライター、えりです。わたしなら施設名を探す前に、まず避難するときの流れから見ます。
今回は、練馬区の福祉避難所と一般の避難所の違いから、指定施設の具体例3か所、利用までの流れ、平時に家族で共有したい情報まで見ていきます。
福祉避難所は一般の避難所と役割が違う
練馬区の福祉避難所は、高齢者施設や障害者施設などを指定し、一般の避難所で生活を続けることが難しい人を受け入れるための避難所です。
| 項目 | 避難拠点 | 福祉避難所 |
|---|---|---|
| 主な施設 | 区立小中学校 | 高齢者施設・障害者施設など |
| 主な役割 | 避難者の受入れや地域支援 | 一般の避難生活が難しい人の受入れ |
| 避難の流れ | 自宅で生活できない場合などに避難 | 本人の状態や施設の状況などを踏まえて受入れを調整 |
練馬区では区立小中学校98校を「避難拠点」と呼んでいます。福祉避難所は、その避難拠点と同じ役割の施設ではありません。
練馬区では避難拠点を経て移るのが基本的な流れ
見落としやすいのが、福祉避難所への避難の流れです。練馬区の現在の案内では、震災時はまず避難拠点等へ避難し、そこでの避難生活が難しい場合に福祉避難所を開設・調整する流れが基本となっています。
自宅や周辺が安全で生活を続けられる場合は、在宅避難も選択肢になります。危険がある場合は安全な場所への避難を考えます。
自宅で生活できない場合などは、避難拠点等への避難を考えます。
避難拠点での生活が難しい場合は、本人の状態や施設側の受入状況などを踏まえて福祉避難所への移動が調整されます。
一方で、練馬区では福祉避難所への直接避難についても試行や検討が進められています。そのため、原則的な避難の流れだけでなく、本人の個別避難計画や区からの案内がある場合は、その内容を確認することが大切です。
福祉避難所の対象は一律では決まらない
練馬区では、高齢者や障害者など、避難生活で特別な配慮が必要な人を福祉避難所の対象として想定しています。
- 対象になるかを見るとき
-
本人の心身の状態や必要な支援などを踏まえて受入れが検討されます。
- 受入れを決めるとき
-
本人や家族の状況に加え、福祉避難所側の被害や職員体制、受入可能人数なども踏まえて調整されます。
高齢である、障害者手帳を持っているといった一つの条件だけで受入れ先が決まるわけではありません。指定施設へ行けば必ず受け入れられる、という仕組みではない点は覚えておきたいところです。
練馬区の指定福祉避難所を三つ紹介
練馬区では令和8年4月現在、61か所を福祉避難所として指定しています。ここでは、どんな施設が指定されているのか分かるよう、施設種別の異なる3か所を例に見てみます。
| 施設名 | 特徴 | 料金目安 | アクセス・利用方法 | 公式サイトURL |
|---|---|---|---|---|
| 中村橋福祉ケアセンター | 障害のある人への生活介護や相談などを行う区立施設 | 福祉避難所としての料金は公式案内で確認できません | 貫井1丁目9番1号。中村橋駅から徒歩約5分。災害時の受入れは区の案内や調整を確認 | https://www.city.nerima.tokyo.jp/hokenfukushi/shogai/shisetsu/care/fukusikeasenta-.html |
| はつらつセンター光が丘 | 通常時は60歳以上の区民が利用する健康増進施設 | 福祉避難所としての料金は公式案内で確認できません | 光が丘2丁目9番6号。光が丘区民センター内で、光が丘駅と通路で連絡。災害時の受入れは区の案内や調整を確認 | https://www.city.nerima.tokyo.jp/shisetsu/koreikaigo/koreisha/hikarigaoka.html |
| 東京都立大泉特別支援学校 | 肢体不自由のある児童・生徒が通う特別支援学校 | 福祉避難所としての料金は公式案内で確認できません | 大泉学園町9丁目3番1号。災害時は区からの案内や個別の避難計画などを確認 | https://oizumi-sh.metro.ed.jp/site/zen/index.html |
ここで料金を比べて施設を選ぶものではありません。通常時の施設利用と、災害時に福祉避難所として受け入れられることは別の話です。
近くの指定施設が避難先になるとは限らない
3施設を見ると具体的な場所は分かりますが、自宅に一番近い福祉避難所を覚えて、災害時は必ずそこへ向かえばよいという意味ではありません。
施設の被害状況や職員体制、受入れに使える場所などを確認したうえで調整されます。事前に直接避難について個別の案内を受けている場合などを除き、指定施設の一覧だけを見て自分の避難先を決めないことが大切です。
えり近い施設を一つ覚えるだけでは足りないんですね
福祉避難所は災害時に必ず開くとは限らない
福祉避難所に指定されていても、災害が起きたら全施設が一斉に開設されるわけではありません。施設そのものが被災している場合もあります。
- 施設や周辺の被害状況
- 勤務できる職員の体制
- 受入れに使えるスペース
- 受け入れられる人数
区はこうした状況を踏まえて受入れを調整します。施設名を覚えるだけでなく、「どのような支援が必要か」「区から個別の避難案内があるか」まで家族で確認しておきたいところです。
水害時は地震時と避難の流れが異なる
福祉避難所について調べるときは、地震と水害を同じ流れで考えないことも大切です。練馬区では風水害時と震災時で避難所の開設方法が異なります。
水害では、浸水や土砂災害などの危険性に応じて風水害時の避難所が開設されます。避難支援が必要な人については、個別避難計画が作成されている場合もあります。
台風や大雨のときは、その時点で開設されている避難所や区からの情報を確認します。震災時の避難拠点だけを見て避難先を決めないようにしたいところです。
平時は家族と避難に必要な情報を共有する
福祉避難所の61施設を全部覚えるより、家族の中で「避難するときにどんな支援が必要か」を話しておくほうが現実的です。移動するときの負担も家庭によって違います。
練馬区では、避難行動要支援者について「どこへ」「だれと」避難するかなどを整理する個別避難計画の作成を進めています。対象となる人への案内や作成方法は状況によって異なるため、区から届いた案内や最新の制度情報を確認してください。
わたしなら、家族で防災の話をするときに、避難先だけでなく連絡先や移動を手伝える人、薬や医療機器、意思疎通で必要なことまで一緒に見ます。一回で全部決めようとせず、気になるところからメモしていくほうが話しやすそうです。
今日なら自宅周辺の避難拠点から見てみる
今日できることなら、練馬区の防災地図を開いて、自宅から近い避難拠点を一つ確認するところから始められます。そのうえで、家族に必要な支援や、個別避難計画の有無も確認してみます。
わたしも福祉避難所を先に三つ四つ覚えるより、「災害時にまず何を確認するのか」と「家族にはどんな支援が必要か」が分かっているほうが整理しやすいと感じます。
家族と一緒に地図を開いたら、避難拠点だけでなく、移動を手伝える人や必要な薬などを一つだけメモに残してみてください。次に防災の話をするとき、そのメモから続きを考えられます。












